※このブログは2024年3月25日に公開された英語ブログ「Beyond PlanetScale: A guide to choosing your next free DBaaS」の拙訳です。
以前のプロバイダーの無料プランから移行する場合、TiDB Serverlessが長期的に正しい選択である理由について紹介します。
開発者ツールキットの世界では、変化が絶えません。それは、私たちにより多くの価値を、より速く提供することを可能にするからです。新しいテクノロジー、製品、オープンソースプロジェクトが、このダイナミックな進歩を後押ししています。
しかし、他人の決断によって変化を余儀なくされるとなると話は別です。PlanetScaleの無料Hobbyプラン終了のニュースを受け、以下3つのことを考える良い機会です:
- MySQLと互換性のある無料のサーバーレスデータベースに移行するには、どのような選択肢がありますか?
- AIのユースケースのためのベクトル検索など、新たなデータ問題にどう取り組むかを考えるには、今が良い時期でしょうか?
- 無料のインフラに頼ることができるでしょうか?
まずは、PlanetScaleに代わる選択肢を見つけることから始めましょう。
1. 新しいDBaaSを選ぶためのチェックリスト
正直に言いましょう。ホスティングされたデータベースツールの選択肢に事欠くことはありません。しかし、それぞれのテクノロジーやプロバイダーが、データモデル、利用可能な容量、パフォーマンス、統合などについて異なる前提を置いているため、それらを比較するのは厄介なことです。
サーバーレス・データベース・プロバイダーを選ぶには、以下4つの大きな疑問があります:
- 移行はどれほど大変なのでしょうか?
- 長期にわたって運用する場合はどのような懸念事項が挙げられるでしょうか?
- 必要なときに必要な性能を発揮できるでしょうか?
- ベンダーが優れたユーザーエクスペリエンスを提供し、ベクトル検索などの新機能に対応してくれることを信頼できるでしょうか?
それぞれを紐解いてみましょう。
1.1 移行はどれくらい大変か?
誰も計画外のデータベース移行に対処したいとは思いません。その名の通り、時間を確保することも、どのように移行すべきかについて熟考することもできないからです。そのため、PlanetScaleに代わる選択肢を選ぶ際に最初に考慮しなければならないのは、どれだけの追加作業が必要になるかということです。
というわけで、移行チェックリストの最初の4項目はこうなります:
✅ データモデルは同じですか?PlanetScaleは、MySQLにスケーラビリティを追加するVitessを使用して構築されています。多くの代替製品はPostgreSQLや、まったく異なるデータモデルであるMongoDBのドキュメントモデルなどを使用しています。これらの選択肢のいずれかを選択すると、コストのかかるスキーマの移行やアプリケーションコードの変更が必要になる可能性があります。
✅ 使用しているSDKやドライバーは新しいDBaaSと互換性がありますか?同様に、アプリケーションで同じライブラリを使い続けることができますか、それとも新しいSDKと統合する必要がありますか?
✅ 移行を支援するツールはありますか?稼働中のデータベースを新しいプロバイダーにレプリケートすることは、軽々しくできることではありません。移行中のダウンタイムを最小限に抑えるにはどうすればよいでしょうか。
✅ 同じ機能を提供していますか?例えば、PlanetScaleはノンブロッキングのスキーマ変更をサポートしています。ダウンタイムなしでスキーマ変更を行うことに慣れている場合は、その機能を備えたDBaaSに移行する必要があります。
1.2 長期的に運用する場合はどんな感じ?
移行後、必要なデベロッパーエクスペリエンスとカスタマーサービスを得られると確信できますか?
✅ 将来性はありますか?DBaaSの選択は、現在提供されている機能だけでなく、長期的なロードマップも重要です。ベンダーのビジョンはあなたのアプリケーションのニーズと一致していますか?例えば、ベンダーはベクトル検索の計画を持っていますか?
✅ 必要なツールと統合されていますか?あなたのアプリケーションにとって重要なツールと、すぐに統合できるかどうかをチェックしてください。また、それらが利用できない場合、自分でコードを書くのは簡単ですか?
✅ 何か問題が起きたらどうなるでしょうか?無料プランでは最低限のサポートしか提供されない傾向にありますが、万が一サポートが必要な場合に何が利用できるかを知っておく必要があります。
✅ 開発者コミュニティはありますか?既にDBaaSを使用している他の開発者の経験に頼ることができますか?エコシステムはどのようなものがありますか?
1.3 必要なときに必要な性能を発揮できるか?
サーバーレスの利点は、スケーリングや耐障害性など、本番環境でデータベース・ツールを運用する際の運用面を心配する必要がないことです。ほとんどの無料プランは、サイズやトラフィック、その他の要素に制限があることが多いため、選択したDBaaSがアプリケーションの要求を満たせることを知る必要があります。
✅ シームレスに拡張できるでしょうか?手動でキャパシティをプロビジョニングする必要があるものもあれば、自動スケールするものもあります。真のサーバーレスDBaaSプロバイダーは、基礎となるインフラから完全にあなたを保護します。無償のDBaaSはスケーリング能力を制限するかもしれませんが、後でお金を払うことになったとしても、そのツールがあなたの成長をサポートできることを知る必要があります。
✅ スケーリングに妥協は必要でしょうか?リレーショナル・データベースのスケーリングは、一貫性、可用性、パーティション耐性を犠牲にすることを意味します。どのようなトレードオフが必要でしょうか?
✅ 弾力性はありますか?あるシャードが利用できなくなった場合、DBaaSは自動的にレプリカにフォールバックできますか?
1.4 ベンダーを信頼できるか?
製品だけでなく、その背後にある会社についても考える必要があります。あなたが新しいデータベース・プロバイダーを探しているのは、これまで利用していたプロバイダーが変化したからです。では、新しいベンダーと長期的な関係を築けるでしょうか?
✅ 無料プランは経済的に意味がありますか?クラウドベンダーが無料プランを終了するのは、自社のコストを維持できないからです。TiDB Serverlessを構築する際、私たちはマルチテナントアーキテクチャを設計し、最大限のリソース効率を実現しました。
✅ 有料プランはリーズナブルな価格でしょうか?アップグレードが必要な場合、無料プランから最初の有料プランへの大きな飛躍があるでしょうか?それともスムーズに移行できるのでしょうか?例えば、PlanetScaleの最初の有料プランは39ドルですが、TiDB Serverlessは月額0.01ドルから始められます。
✅ 本当にサーバーレス課金を提供しているのでしょうか?PlanetScaleによる論争の的となった動きの一つは、サーバーレス課金からCPU、メモリ、ストレージ課金への移行でした。サーバーレス課金は、基礎となるインフラを考慮する必要がなくなります。
2. 無料というのは出来すぎ?
世界を変え、経済を牽引する今日のインターネットは、その大部分が「無料」のおかげです。一部の例外を除き、インターネットの基盤はオープンソース・ソフトウェアです。私たちが使っているプログラミング言語、フレームワーク、オペレーティング・システム、ストレージ・ツールは、ほとんどすべて無料で使うことができます。また、完全に無料ではないものも、多くの場合、寛大な開発者プランが提供されています。
クラウド時代には、プロバイダーは無料プランで開発者の興味を引き、忠実なユーザーベースを確立します。この戦略は、開発者のマインドシェアを獲得するだけでなく、無料ユーザーの一部が成功を収め、最終的に有料プランに移行するという、計算された賭けでもあります。
しかし、無料プランが実現可能なのは、その製品が基盤となるクラウドリソースを効率的に利用している場合に限られます。TiDB Serverlessのクラウドネイティブアーキテクチャは、スケーラビリティ、耐障害性、レスポンスタイムを損なうことなく、各クラウドサービスから最大限の価値を引き出すように構築されています。そのため、TiDB Serverlessの無料プランを提供し、使用する追加リソースに対してのみ課金することができるのです。
3. TiDB ServerlessはPlanetScaleにどう対抗するのか?
TiDB Serverlessは、フルマネージド・データベース・アズ・ア・サービスであり、先ほど説明したチェックリストの項目をすべて満たしています。具体的には、TiDB Serverlessを利用することで以下のようなことが可能になります:
- MySQLとの互換性: PlanetScaleからの移行は非常に簡単です。Postgresベースの代替とは異なり、TiDB ServerlessはPlanetScaleのHobbyプランのドロップイン代替を提供します。
- 手間いらずの自動スケーリング: アプリケーションの需要が変化すると、TiDB Serverlessは秒単位で対応します。
- 無駄のないアプローチ フルマネージドサービスであるTiDB Serverlessでは、データベース管理システムの詳細を気にすることなく、アプリケーションの構築と運用に集中することができます。
- 混合ワークロードの実行能力: トランザクション・ワークロードでも分析ワークロードでも、1つのデータベースで両方を実行できます。
- AIアプリケーション開発へのこだわり: ベクトル検索用に別のデータベースを用意する必要はありません。 TiDBのウェイティングに参加して、馴染みあるSQLでAIアプリケーションを構築しましょう。
- 手厚い無料ティア: TiDB Serverlessを始めるにはクレジットカードの登録が不要で、それぞれ5GiBまで保存可能なデータベースを5つまでご利用いただけます。それ以上のデータベースが必要な場合は、月額$0.01からご利用いただけます。
では、PlanetScaleからTiDB Serverlessへの移行はどれくらい簡単なのでしょうか?2分のチュートリアル (英語) をご覧ください。
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